新任Web担当者が本業との掛け持ちで起こる、これだけは避けたい悪循環トップ5

Web担当者が他の業務と掛け持ちすることは、とてもよくある話です。
特にホームページ制作や運用は掛け持ちするタスクで、本業は営業であったり、事務系の仕事であったりすることが多いでしょう。規模が小さい事業の場合は、経営者や事業主自身が担当していたりもします。

しかし、本業とWeb担当の掛け持ちは、多くの悪循環を引き起こします。
その中でも、私自身も経験した悪循環トップ5は次の5つではないでしょうか?

・手がつかないで後手に回って、のちのち火を噴く
・中途半端な完成度でリリースして目的が達成できない
・ゼロから勉強。そして、いつまでたっても完成しない
・本業への悪影響
・すべてが機会損失

デメリットその1 後手後手対応

悪循環の1つ目は、ホームページ制作が後手後手になってしまうことですが、その原因は、優先順位の見極めの困難さにあります。

後手後手になる原因

Web担当者が他の業務と掛け持ちする場合、知識や経験が少ないため、本業と比べてどちらの業務を優先すべきか判断が難しいものです。
特に、緊急性の高い業務や期限が迫っている業務に対処するために、Web関連の業務が後回しにされることがよくあります。

また、リソースが限られていることも大きな要因です。Web担当者が他の業務と掛け持ちする場合、どうしても時間や人的リソースが限られてしまいます。
そのため、web関連の業務に十分な時間やエネルギーを注ぐことが難しくなり、結果として制作や運営が後まわしになります。

後手対応の結果と悪影響

その結果、ホームページの制作や修正にかかる時間が、想定よりもはるかに多くかかってしまうことがよくあります。
いつまでも終わらないweb制作で、しかもそれが本業ではないとすると、web担当者へのストレスは大きなものです。
最悪の場合、身体や精神の健康に悪影響を与える可能性があります。特に、期限を守れないストレスやクオリティの低下による批判など、精神的な負担が増大する傾向にあります。

さらに、ホームページやwebサイトがないために集客できなかったり、ホームページの掲載情報が古いために、意図しない印象を与えたり、間違った情報を伝えてしまったりしてしまうことがあります。

デメリットその2 中途半端な対応・出来

Web担当者が他の業務と掛け持ちすることで、サイトの完成度が中途半端になることがあります。
その結果、サイト本来の目的を達成できないため、さらなる改修を繰り返して業務負荷が増えることがあります。

そもそもweb担当者にとっては自分で制作するのは大変な作業です。それが、もし本業でなく片手間でやっているとしたら、間違いなくサイトの品質は低くなってしまいます。その結果としてユーザーの満足度は低下してしまうでしょう。

中途半端なサイトになる原因

中途半端なサイトになる原因は明らかです。
本業との掛け持ちであるため、SEOやデザインに関する専門的な知識や経験が足りずに作業を進めてしまうからです。

さらに言うと、時間の制約があるため優先順位を見誤ってしまう点も見逃せません。
ホームページの担当は(私の経験からも)他の業務と比べて緊急性や重要度が低く、「片手間」で対応しないといけないケースが多いものです。
そんな中途半端な対応のため、手戻りが多くなり、時間もかかってモチベーションも低下し、中途半端なデザインで、完成度が低い状態のまま放置されることがあるのです。

中途半端な対応の結果と悪影響

その結果は時間をかけて「顧客離れ」という形で現れてきますが、残念ながら制作・運営する立場からは、なかなかそれに気づけません。

自分がサイトを利用したり閲覧する側にたって考えてみればわかりますが、未完成のページやバグがあると、ユーザーは混乱したり、不満を感じたりします。
このように、サイトに対する信頼性が低下すると、会社や事業に対する信頼感も低下してしまうのが一番の問題です。

残念ながら、サイトの完成度が中途半端な状態で公開されると、一度悪い印象をもったユーザーは、なかなか戻ってきません。
だからこそ、適切な対策を講じることで、常に、サイトの完成度を向上させながら、ユーザーに価値ある体験を提供することが重要です。

デメリットその3 いつまでも終わらない

Web担当者が他の業務と掛け持ちしていて、web制作やサイト運営に関する知識や経験がない場合があります。
そんなとき、ゼロから勉強している方もいるのではないでしょうか。

もしかしたら、Web担当者が他の業務と掛け持ちすることの、一番の負担は、サイト制作と運営に関する知識やスキルをゼロから学ばないといけなくなることかもしれません。
デザインやコーディングや好きならいいのですが、必ずしも、そうではない方も多いと思います。

他にもやること、やらないといけないことが山ほどある中で、好きでもないデザインやコーディングをゼロから学ばなければならないのは「苦痛」でしょう。
しかも、そんなに言われるほどデザインもコーディングも簡単なことではありません…。

いつまでも終わらない原因

そんな状態でweb制作やホームページ制作を進めても、勉強に時間がかかるだけで、いつまでたっても完成しない悪循環に陥ってしまいます。

その原因は、担当者のweb制作業務の好き嫌いだけでなく、ホームページ制作やweb制作の技術が、高度に進化し常に変化しているからです。
近年のweb技術やデジタルマーケティングの変化のスピードは著しいものです。
毎年のように新しい技術やツールが登場し、Googleのアルゴリズムが更新されるなど、常に学習が必要な状況です。他の業務との掛け持ちにより、最新のトレンドやベストプラクティスに追従することが困難になります。

その結果と悪影響

新任のweb担当者がゼロから学びはじめ、どれだけ時間と労力をかけても、他の業務との掛け持ちで忙しい状況では、間違いなく学習に十分な時間を割くことができないため、いつまでも終わらない悪循環に陥ってしまうことでしょう。

また、web制作に限らず、サイト運営に関する知識やスキルも不足していると、集客状況の改善ができず、案件獲得の効率が低下する可能性があります。
具体的に言うと、サイトデザインが古臭かったり、問い合わせ機能やSNSとの連携が不十分だったり、SEO対策が不適切だったりすると、露出や客接触の機会が低下し集客に大きな影響が出てします可能性があります。

デメリットその4 本来業務への悪影響

本来業務と掛け持ちするデメリットの中で、一番わかりやすいデメリットと言えば、本来業務への悪影響でしょう。
限られた時間を分け合うことで、本業にかける時間が減少するため、業務量が減少するだけでなく、練度が下がるので成長スピードも遅くなってしまいます。それだけでなく、成果が出にくくなることで本業へのモチベーションが下がってしまうことも考えられます。

本来業務への悪影響の原因

根本的な原因は、ホームページ制作などのweb制作やサイト運用の重要度の認識の薄さにあるのかもしれません。
「片手間」で掛け持ちするような業務ではないのに、web担当者に全部まかせてしまうことのリスクに気づいていない可能性もあります。

本来、誰か専門家が本業として専念するだけの業務であるにも関わらず、リソース不足のためにほかの業務を本業としている人(営業や事務担当など)が掛け持ちで対応することとなってしまい、web制作業務の優先順位も低く設定されるために中途半端な対応となっているのかもしれません。
その影響で、web制作やサイト運用が思ったより負荷がかかる業務であることに気付いた時には手遅れで、本業に対して大きな影響が発生している…という悪循環に陥っているのかもしれません。

その結果と悪影響

もちろん重要性を認識しているけど、とはいってもリソースが足りなくて、やむを得ず兼務としている場合もあると思いますし、事業主や経営者自身が自分でやっていることもあると思いますが、いずれにしても本来業務にかける時間や業務量が削られてしまっているのは現実問題としてあるのではないでしょうか。

ただ、本来の業務が遅延してしまったり、ミスが増えたり、品質が低下してしまっている場合は、その影響は小さいとは言えないかもしれません。最悪の場合、瑕疵担保責任の問題も出てしまうかもしれません。
改めて言うまでもありませんが、できるだけ、本来業務に専念できたほうがいいでしょう。

デメリットその5 機会損失

Web担当者が他の業務と掛け持ちすることの目に見えない悪影響として「機会損失」があります。

つまり、web制作と運用に、時間とリソースをかけていたため、ビジネスチャンスを見逃してしまうリスクです。本来とれていたはずの案件や顧客からの売上が取れなくなってしまうと、顧客の課題や市場ニーズの変化、そして新しいアイデアや技術変化に気付かずに、重要な案件やチャンスが見過ごし、機会損失が生じる可能性があります。

その結果と悪影響

機会損失は、目に見える損失ではないために、気づきにくい性質があります。
いつの間にか、知らないうちに、顧客も競合も市場も業界も変化していて、自社だけ取り残されていては取返しがつかなくなってしまいます。

むしろ、webサイトを活用してビジネスチャンスの獲得をすべきであるのに、不慣れなweb担当者が兼務することで、最新トレンドについていけずに、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。

web担当者が掛け持ちするデメリットと悪循環への対策

これまで上げてきた5つのデメリットや悪循環は、私が実際に目にしてきたことばかりですが、もちろん対策は可能です。

お金をかけずに、これらのような事態を避けるためにできることとして、まず最初にやりたいのは、業務全体の優先順位を設定することでしょう。
本業との兼ね合いで、日々のweb制作業務に充てる時間を決めたり、プロジェクト化して期限を切ったり、業務フローを作って定期的な運営にすることも有効です。
これにより、重要度や緊急性に基づいて業務を整理し、時間を効率的に使うことができるようになります。

また、ある程度自分たちで勉強してサイトを作ってみることもできるとは思います。
サイトに求めるデザインがシンプルで、複雑な機能がなく、サイトを更新する頻度も少なく、掲載する情報が多くない場合は、自分たちで作ってみるのも一つの手です。
ただ、どんなに小さいサイトでも、サーバーの設定、DBの構築、デザイン、コーディング、SEOといった様々なことをこなさないといけないので、結構大変かもしれません。

そう考えると、新任のweb担当者や本業と兼務している担当者には、けっこう難しい話だと思いますので、そんなときには、無理せず外部の専門家の支援を活用することも視野に入れたほうがいいと思います。
外部の専門家を使うことで、何か問題が発生してから後手になるようにこととならないで済みますし、時間とリソースを節約できて、業務の効率化を図ることができるはずです。

適切な対策を講じることで、悪循環を断ち切り、より効率的な業務遂行を実現することができるでしょう。

対策1:業務の優先順位を見直す

お金をかけて解決する前にできる対策です。
webサイトの開発や改善作業に適切な優先順位をつけ、他の業務とのバランスを考慮しながら、優先的に取り組みます。
掛け持ち業務による機会損失を防ぐためには、業務の優先順位を見直すことが重要ですし、重要度や緊急性に基づいて業務を整理し、重要な機会に優先的に取り組むことも必要です。
業務の優先順位を見直すことで、ある程度、web制作や運用にかけることができる業務負荷を想定できるかもしれませんが、これまで上げた5つのデメリットを根本的に解決することは難しいかもしれません。

対策2:勉強して自分たちでweb制作する

まずは自分たちでweb制作をやってみようという試みです。
継続的な学習によって、web制作やサイト運営に関する知識やスキルを向上させます。YouTubeやオンラインのコース、チュートリアル、書籍などを活用して、自己学習できますが、未経験の場合は時間がかかりますし、いたるところにトラップがあります。
これもお金をかけずにできることですが、これまで上げたデメリットを根本的に解決することは難しいです。
自社では、手に余ると思ったときにどうするか、あらかじめ考えておく必要はあるでしょう。

対策3:外部の専門家にお願いする

web制作・開発や改善作業を外部の専門家に委託する対策です。
外部の支援を活用することで、時間とリソースを節約し、サイトの完成度を向上させることができます。
本来業務の混乱や遅延、品質の低下といった影響が懸念を払拭し、機会損失を最小限に抑えるためには、やはり外部を活用することが有効だと思います。
きっとWeb担当者は本来の業務に集中し、ストレスも最小限にして、効果的に業務を遂行することができるでしょう。

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